雪解けの時期になると徐々にスーパーやお魚屋さんの店頭に並び始めるホタルイカ。今回はその春の風物詩・ホタルイカの秘密についていろいろとご紹介していきますね。
【目次】
ホタルイカの旬と産地
ホタルイカの旬は言わずと知れた春。厳しい冬も終盤に差し掛かり、雪解けが始まる頃になると徐々に水揚げが始まります。一部太平洋側でも獲れるようですが主だったホタルイカの水揚げは日本海側。山陰地方の沖合で孵化するのでそこから水揚げがスタートし、時を経るにつれて日本海沿岸を北上していき、新潟・山形沖合あたりで折り返して南下します。
富山県よりホタルイカの水揚げが多い県は?
ホタルイカと言えば富山県のイメージが強いですが、実は漁獲量は兵庫県がナンバーワン。理由はいろいろありますが、主に
- 産卵地に近いので絶対数が多い
- 禁漁期間の有無
- 漁法の違い
の3点になると思います。
《産卵地に近いので絶対数が多い》
大半のホタルイカは山陰沖合で産卵するそうですので、大きさは細かいものが多くなりますがその代わり個体数は多いので水揚げ量は多くなります。
《禁漁期間の有無》
山陰沖の漁場に禁漁期間はありませんが、富山湾のホタルイカは3月1日が解禁日でそれまでは禁漁期間です。ホタルイカがいなくなるのは共にゴールデンウィーク前後ですから漁期の長さも一つの理由です。
《漁法の違い》
漁場や狙う魚の特性に応じて様々な漁法がありますが、ホタルイカの漁獲高の違いもこの漁法の違いによるところが最も大きいのではないかと思います。
富山湾のホタルイカは主に定置網漁。海中の魚やイカが多く通るようなところに網を設置し、その中に入ったものを水揚げします。下の図のように網に一度入った魚介類は外に出ることは困難になるもののその定置網の中では今まで通り泳ぐことが出来るため、網の中で重なって死んだりすることはなく魚介類を元気な状態で水揚げ時まで保つことが出来ます。また定置網はあまり沖合には設置できないので網を引き揚げて短時間のうちに港に戻ってくることが出来るため、鮮度の良い状態で市場に入ってきます。
一方、山陰沖で用いられている漁法は底引き網漁。主に海底に生息する魚を網ですが、山陰沖のホタルイカはこの海底近くにいることが多いらしいので、その魚群(イカ群?)ごと引き上げることができます。そのため、より多くのホタルイカを文字通り一網打尽に獲ることが出来ます。
光るホタルイカと光らないホタルイカ
ホタルイカ漁と言えば上の画像のようにホタルのように光るというイメージが強いと思いますが、山陰沖で水揚げされるホタルイカは水揚げ時にもあまり光ることはないようです。ただし種類はまったく同じものです。これは産地や種類の違いと言うよりは漁法や水揚げのタイミングによるもののようで、山陰ではお昼に水揚げするので光っていても判らないということもあるのでしょうね。
※山陰の底引き網漁によるホタルイカの水揚げ
ホタルイカがなぜ光るのかについてはまだ判っていないことが多いようなのですが、お互いでコミュニケーションを取っているとか、光ることで敵を威嚇するため(そのため、自分の影を作らないために海底側しか光らないらしい)などいろいろな説があります。ホタルイカは5センチ程度のちいさなものですが、その中に3種類の発光器(腕、目、皮膚)をトータルで約1000個も備えており、それらを使って光ります。
ホタルイカ観光
ホタルイカは神秘的な光を放つ美しい生き物ですので、美味しく食べるだけではなく鑑賞するという楽しみもあります。
ホタルイカの身投げ
富山湾のホタルイカは産卵の時期(3~4月)になると産卵の為に陸地近くまで上がって来て、産卵を終えた後は浜辺に打ち上げられることが多くあります。これが非常に神秘的な風景でして、その美しい群遊は国の天然記念物に指定されているほどです。これをホタルイカの身投げと呼ぶのですが、その時期になると海岸でホタルイカを拾ったりすくい上げたりできるので人気があります。どこでいつ身投げがあるのか、は最近ではネット掲示板で確認できます。
ホタルイカ漁見学
富山湾では漁期になると会場で光るホタルイカ漁を見学するツアーがあります。※上の写真上部にも見学船が写っています。
まだまだ寒い北陸の早朝3時頃出発しますので超寒いのですが、それでもあの神秘的な光景を見たいとツアーに申し込む人がたくさんいらっしゃります。もし富山県にお泊りの際は是非チェックしてみてください。
ほたるいかミュージアム
ホタルイカを愛してやまない富山県滑川市にはほたるいかミュージアムなるものもございます。ここではホタルイカの生態などが詳しく学べる上にホタルイカのシーズン中はお隣の滑川港から毎日生きたホタルイカを持って来てホタルイカの発光ショーを一日数回見せてくれます。これは写真撮影不可なのでお見せすることはできませんが、実際に行ってみると本当に青白く光って神秘的なものでした。是非皆様も富山県にお越しの際はほたるいかミュージアムをスケジュールに組み込んでみてください。※シーズン外はホタルイカに似た生物での発光ショーをしています。ホタルイカの美味しい食べ方とNG調理法
親指程度の大きさのホタルイカですが一般的なイカと同じ身体の作りになっており、なんと!微量ですがイカ墨もあるそうです。濃厚な旨味成分が含まれているキモ(内臓)もありますし、あの一口サイズだからこそできる美味しいお料理が数々ありますのでその一部をご紹介します。
釜茹でホタルイカ酢味噌和え
茹でることでたんぱく質が固まり美味しい成分がギュッと閉じ込められます。安全で美味しいホタルイカ料理のド定番。業務用ですと口触りを更によくするために固い部分を取り除く「目取り」「クチバシ取り」「背骨取り」などのオプションもあります。美味しいものを選ぶコツはふっくらと茹で上がって美味しそうに見えるものを選ぶこと。シワシワになっていたりツヤがないものは古い可能性があるのでできれば避けましょう。
ホタルイカごはん
ちょっと手間が掛かりますがボイルしたホタルイカの目玉を取り除いてから炊き込みご飯にしてみてください。キモの旨味が染み出て美味しいご飯になります。これは結構おススメです。
ホタルイカの野菜炒め
ホタルイカは内臓に旨味成分がタップリありますから、炒め物にも最適です。できれば目玉は取り除いた方が良いですがそこは時間との兼ね合いで。生食(なましょく)はダメです
お刺身で食べても美味しそうなホタルイカですが、鮮度の良いものでも生では食べないでください。あんな親指程度の大きさのホタルイカにも寄生虫がいる可能性があります。
でも、どうしても食べたい!!
この商品なら厚生労働省が定めた安全基準(詳しくはコチラの記事参照)をクリアしているので安心です。北陸で獲れたふっくらと肥えたホタルイカなので食べ応えもありますし最高ですよ!
ホタルイカの製品あれこれ
ホタルイカの生態や食べ方などについていろいろとご紹介してきましたが、それ以外にもいろいろと美味しくて手軽に楽しめるホタルイカの製品があります。これならお取り寄せして頂いてすぐに味わって頂けるので便利ですよ。
富山湾のふっくらホタルイカ・しゃぶしゃぶ用
上でご紹介した生食用に製造されたホタルイカです。料理人の皆さんから最高級の評価を得ている富山湾のふっくらと肥えたホタルイカを使っているので食感も最高です。しゃぶしゃぶにして頂くと中の濃厚なキモも楽しめて最高ですよ。もちろんお刺身でも。
ホタルイカ一夜干し
あの可愛らしいホタルイカを1尾ずつ丁寧に干物の網に並べて干しあげた手間ひまのかかった一品です。1尾ずつ手に取ってライターなどで軽く炙ってお召し上がりください。干物にすることで余計な水分がなくなり旨味が濃縮していますのでお酒のアテに最高です。
ほたるいか黒作り
ホタルイカの生珍味はいろいろとありますが、ちょっと変わった黒作りはいかがですか?イカ墨を入れることでマイルドな味わいになっています。こちらも酒の肴に最高ですね~。100gのジッパー付きスタンドパックに入っていて便利です。
ホタルイカ醤油漬け
ホタルイカの本場・富山県のホタルイカ屋さん「浜浦商店」謹製の醤油漬けです。ホタルイカにピッタリの醤油ダレに漬け込んでありますのでホタルイカの美味しさを活かした本格派の醤油漬けです。ちなみに漁船にタンクを持ち込み船の上でホタルイカに醤油を吸わせたものが沖漬け、陸まで持ち帰ったホタルイカを醤油に漬け込んだものが醤油漬けになりますが、市場に出回っているほとんどのものが陸で漬け込んでいるため正確には醤油漬けです。
ほたるいか柑橘づくり
ホタルイカの醤油漬けをベースにした味付けに柑橘系のエキスを入れて風味付けをした爽やかな珍味です。100gのジッパー付きスタンドパックで保管も楽々です。
以上、少しでもご参考になれば幸いです。
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