【目次】※2021年2月25日更新
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ホタルイカについて
ホタルのように美しい光を放つことから名づけられたと言われるホタルイカ(蛍烏賊)。全長は5センチほどの小さなイカですが、深夜の海で青白い光を放つその姿は幻想的なものです。雪解けの季節になり春が間近になるとスーパーなどにも並ぶようになるまさに春の風物詩のひとつで、四季折々の季節や旬を大切にする我々日本人には欠かせない食材のひとつでもあります。
ホタルイカの旬はいつ?
ホタルイカ漁は1月末頃から山陰地方で始まり、ホタルイカの移動と生育に伴なって水揚げも徐々に北上していきます。ただし、1-2月のものはまだ小ぶりで身入りも悪く、旬の食材とは言えないものが多いです。ところが3月になると富山湾内のホタルイカ漁が解禁となり(3月1日)、ふっくらとした身入りの良いホタルイカが市場に出回るようになります。漁期はその年によって異なるのですが、おおよそ5月くらいまでで終了となるため、やはり富山湾内のホタルイカが出回る3~4月が旬の時期と言えると思います。
ホタルイカはどこの産地が美味いのか?
アジ・サバなら関サバ・関アジ、金目鯛なら伊豆の下田、ブリなら氷見、というように魚介類にはそれぞれ特に美味しい産地があったりしますが、ホタルイカならどこなのか?
やはり富山湾内のホタルイカが最高だと思います。
水揚量は山陰や京都府の浜坂漁港などが多いので全国的にも山陰や若狭湾近郊のものが多く出回っているのですが、これらの地域で獲れるホタルイカはまだ十分発育しておらず、サイズも小さいうえに身が薄いため、ボイルなど加熱をすると縮みが激しくなってしまいます。その点、富山湾内のホタルイカは産卵前で充分に発育して栄養もしっかりと摂れている状態のものが多いので身入りも良く、サイズ的にも立派で身も厚いので加熱してもしっかりと味わうことが出来ます。
こうして食べたらダメ!ホタルイカのNGレシピ
生鮮流通しているホタルイカは基本的に生食してはいけません!理由は大きく以下の2つ。
- 鮮度劣化が早いのでいたみやすい為
- 寄生虫がいる可能性がある為
ホタルイカには旋尾線虫(せんびせんちゅう)という寄生虫がいる場合があります。この寄生虫が生きたまま体内に入ると最悪の場合、手術を受けなくてはならないということもあり得るため、保健所でも注意喚起をしています。
富山湾の春の味覚、ホタルイカ。
そのホタルイカから皮膚疾患や腸閉塞を起こす寄生虫、旋尾線虫(「せんびせんちゅう」と読む)幼虫が検出されることがあります。
ホタルイカを生で食べる場合は注意が必要です。
富山県庁のウェブサイトより引用
もし活きたホタルイカを手に入れた場合でも、絶対に踊り食いやそのままでの生食はしないようにしてくださいね!
おうちで作れる定番レシピ
春先になるとスーパーに並ぶようになるホタルイカですが、定番中の定番と言えばやっぱりまずはこの2つ。
ボイルほたるいかの酢味噌和え
大抵の場合は既に茹でた状態で売っていますので、後はおうちでお皿に盛り付けて食べるだけ。定番中の定番ですが、夕食の一品としても、晩酌のお供としてもやっぱり最高の一品です。酢味噌は
・白味噌 2
・お酢 1
・みりん 1
の割合が基本だとは思いますが、比率はお好みで。大人向けには辛子を混ぜても美味しいです。
ホタルイカの炒め物
ホタルイカはワタ(みそ)に濃厚なうまみ成分がありますので、炒め物にしても美味しいです。特にニンニクとの相性は抜群!少し手間ですが、目を取り除いてから調理すると更に食べやすくなります。ホタルイカの炊き込みご飯
ホタルイカは食べやすいサイズで食感も良いので、炊き込みご飯にしても美味しいです。この時も目を取るのをお忘れなく!その他、パスタの具にしたり、アヒージョとして使ったり、煮物にしてみたり、といろいろな調理方法もあります。詳しくはこちらにいっぱいレシピがありますのでどうぞ↓
COOKPAD(静止画)
https://cookpad.com/search/%E3%83%9B%E3%82%BF%E3%83%AB%E3%82%A4%E3%82%AB
クラシル(動画)
https://www.kurashiru.com/search?query=%E3%83%9B%E3%82%BF%E3%83%AB%E3%82%A4%E3%82%AB
その他の美味しい食べ方、通な楽しみ方
上ではスーパーで買ってきたホタルイカを使って簡単にできるお料理をご紹介しましたが、それ以外にもホタルイカにはいろいろな食べ方があります!ここから先にご紹介するものは鮮度の良さが必要であったり、調理技術や手間が必要であったり、または大掛かりな装置が必要であったりするので、お取り寄せで食卓に並べるのが良いと思います。
ほたるいか沖漬け
ホタルイカを醤油に漬け込んだ定番の生珍味です。突き出しの一品や酒の肴として最高の一品です。この調理法は一般にはホタルイカ沖漬けと呼ばれることも多いですが、厳密にいえば
- ホタルイカ沖漬け
- ホタルイカ醤油漬け
→漁船に醤油のタンクを載せて沖合に行き、生きているホタルイカをタンクに入れて醤油を飲ませたもの
→漁港に帰って来て水揚げされたホタルイカを醤油に漬け込んだもの
と製法が違います。そして、よほど漁業者と繋がりがあって特別にお願いして醤油を沖まで積んで行ってもらわないと沖漬けはできないので、市販されているほとんどの場合はホタルイカの醤油漬けです。
当然本当の沖漬けの方が希少価値はありますが、北陸産のホタルイカは定置網で獲れるため鮮度が良い状態を保って漬け込みますので美味しく召し上がって頂けます。
ホタルイカのお刺身
あれ?さっき、生食はダメって言ってたのに・・・、と疑問に感じた方もいらっしゃると思いますが、実は一度冷凍したら大丈夫なんです。簡単に言えばマイナス40℃で4日間蔵置すれば寄生虫が死滅するため安全、ということです。そのため、そのお刺身用にホタルイカを衛生的な施設でパッキングして急速凍結をかけた商品があります。
ホタルイカしゃぶしゃぶ
上でご紹介した刺身用のホタルイカを使ってのシャブシャブも風情があっておススメです。写真のように他のお魚とのコラボしゃぶしゃぶも良いですし、生ワカメなどの海藻と一緒に頂くヘルシーなしゃぶしゃぶも美味しいですよ。ホタルイカ素干し
あの可愛らしいホタルイカを1尾ずつ丁寧に干物の網に並べて干した干物も最近は人気急上昇中です。干すことでホタルイカのワタ(みそ)に含まれるうまみ成分が濃縮しています。1枚ずつライターなどで炙りながら酒の肴としてチビチビと召し上がってください。口に含むとホタルイカのワタ(みそ)がジュワーっと広がり、幸せな気持ちに包まれます。当店では一番オーソドックスな一夜干し(素干し)に加えて、味付けをしたホタルイカの干物もオリジナルで製作しています。
- ホタルイカ一夜干し(素干し)
- ホタルイカ柚庵干し
- ホタルイカ一夜干し
ホタルイカ黒づくり
こちらもお酒のお供として最高の一品。イカ墨を使った黒づくりです。塩加減も絶妙なので思わずお酒が進んでしまいます。飲みすぎ注意!ホタルイカについてもっと詳しく知りたい方は
ホタルイカの詳しい生態は判っていないようなのですが、山陰沖で孵化(ふか)したホタルイカの赤ちゃんが対馬暖流に乗って北上。その後能登沖を通過して秋田・山形沖合に到達するまでに成長を遂げ、その後産卵のために南下して多くは生まれ育った山陰沖合で、一部は途中で富山湾内に入って来て産卵をして短い一生を終えるようです。
夜間に海中で青白く光るホタルイカの姿はとても神秘的なもので、ホタルイカの水揚げ時期になると本場の富山湾内ではその光景を一目見ようと多くの人が深夜から早朝にかけて沿岸に集まってきます。富山湾内では春になるとホタルイカが大量に海岸に集まって来て浜辺に打ち上げられるホタルイカの身投げと呼ばれる現象が発生し、それが見られる場所の情報交換をするweb上の掲示板なども存在したりします。
富山湾ほたるいか捕らんまいけ~ぇ
https://rara.jp/hotaruika-toyama/
ちなみにホタルイカをこよなく愛する富山県滑川市にはほたるいかミュージアムなるものまであり、ここに行けばホタルイカについてあらゆる事を知ることが出来ます。
3月からの漁期になると生きたホタルイカによる発光ショーやホタルイカとのふれあい(?)などもできますので、機会があれば是非足を運んでみてください。
ほたるいかミュージアム
https://hotaruikamuseum.com/
ホタルイカについては次の記事もどうぞ!(画像をクリック)。