聞くとビックリ。タラバガニの意外な真実

たらばがにのイメージ

タラバガニと聞くと、多くの人がその豪華な見た目と味わいを思い浮かべますが、この海の巨人には予想外の秘密が隠されています。今回は、タラバガニの隠された面白い事実とその背後にある自然の不思議に迫ります。

「カニ」の仮面をかぶったヤドカリ!

たらばがにとヤドカリ

タラバガニはその外見から多くの人にカニと認識されていますが、実際には生物学上はヤドカリの一族に属しています。この事実は、一般にはあまり知られていないかもしれませんが、タラバガニの生物学的な特徴によって明らかにされます。最も注目すべき特徴はその足の数です。一般的なカニは10本の足を持っていますが、タラバガニは足が8本しかありません。この8本足は、実はタラバガニがヤドカリの仲間であることを示す重要な手がかりなのです。

さらに、タラバガニにはこれ以外にも、ヤドカリの特徴を示す点があります。例えば、ヤドカリ同様、タラバガニは前方に歩くことが可能です。これはカニの足が内側にしか折れ曲がらないため、自然と横歩きになるのとは対照的です。また、タラバガニには、他のヤドカリにも見られるように、退化した小さな足が存在します。これらの足は、えらの掃除や砂をかき出すために使われ、普通の歩行にはほとんど使用されません。

このように、タラバガニは一見すると普通のカニと変わらないように見えますが、その生物学的な特徴と行動は、実はヤドカリの仲間であることを物語っています。

名前のミステリー – 「タラバ」の秘密

鱈の漁場にいるタラバガニ

“タラバガニの名前は、ただの偶然ではありません。このユニークな名前には、興味深い歴史と文化的背景が隠されています。”

タラバガニの名前には、その生息環境と漁業との関係が深く反映されています。名前の「タラバ」部分は、タラが豊富に捕れる漁場、すなわち「鱈場」に由来しており、これらの漁場で特によく捕獲されることからこの名前がつけられました。タラバガニは、冷たく深い北方の海域に生息しており、特に鱈が多く生息する漁場で見つかることが多いのです。

また、名前の由来には、タラバガニが市場での販売のために名付けられたという経緯もあります。見た目が完全にカニであるため、市場で売る際に「カニ」という名前が自然とつけられたと言われています。当時の漁業関係者が、その美味しさを市場で売るために、タラが多く生息する場所で捕れることと、見た目がカニであることから「鱈場蟹」、すなわち「タラバガニ」と名付けたのです。

ちなみにタラバガニは英語ではKing Crabと言います。なんとなく、こっちの方がしっくりくるような気もしますね・・・。

食卓を彩る海の巨人

たらばがに足

タラバガニは、その食べ応えのある豪華な身と独特の風味で知られており、日本の食卓において高級食材として重宝されています。タラバガニの身はしっとりとしていて、深みのある味わいが特徴です。これは、冷たい海域で育つタラバガニならではの質の高い肉質によるもので、食通をも虜にするほどです。

タラバガニは、様々な料理方法で楽しむことができます。例えば、シンプルに茹でてそのまま食べるのが最も一般的ですが、刺身や寿司、焼きガニ、カニ鍋といった様々な料理でその風味を堪能することができます。特に、冬の寒い時期には、タラバガニの鍋料理が多くの家庭で楽しまれており、寒い季節の食卓を温かく彩ります。

おさかな料理の柴田屋ウェブサイトでは、タラバガニに限らず様々な魚介類やお料理などに関する豆知識やレシピを紹介しています。おヒマつぶしに是非ご覧くださいね。
【この記事を書いた人】店長柴田の自己紹介

※この記事を作成するにあたり私の知識の正確性を確認するため、以下の図鑑類やサイトも参考にさせて頂きました。
・日本産魚類生態大図鑑(東海大学出版会)
・Wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%BF%E3%83%A9%E3%83%90%E3%82%AC%E3%83%8B
・くまのお役立ちサイト https://kuma-oyakudati.com/archives/2429
・ちそう https://chisou-media.jp/posts/6381


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